歯性上顎洞炎とは?

今日は東京マラソンの日です。
朝からテレビ中継を見ていました。
大学生のランナーの頑張りに比べ、期待された実業団のランナーはさっぱりでしたね。

思えば私も第一回目の東京マラソンを走りました。
その時の感想は、一言で言うと「トイレとの戦い」でした。
あの日は大変寒い日で小雨も降っていて、走る前にトイレに行ったにもかかわらず、
スタートまで1時間近く雨の中待たされて、走り始めてもどこでトイレに行こうかということばかり考えていました。

飯田橋でビルの中のトイレに行ったら、大行列で20分位待ってようやく用を足して走り始めたら、
飯田橋のガード下で皆一列になって立ちションしていたのには唖然としました。
その後も品川の折り返し地点まではトイレは大行列で、すぐ用は足せないので、早め早めに行くようにしました。
ということで記録よりも、参加することに意義がある大会だと思いました。
また、応募して当たったら走りたいと思います。

さて読者の中で「上顎洞」を知っている方はどれくらいいらっしゃるのでしょうか?
初診で来られた患者さんにパノラマX線を撮影して「上顎洞」の説明をするのですが、医療関係者以外にはほとんど知られていません。

「上顎洞」は上あごの鼻腔の側にある左右一対の空洞です。
ここになんらかの理由で炎症が起きると「上顎洞炎」と呼ばれます。
歯の方からの原因で「上顎洞炎」になった時は「歯性上顎洞炎」と呼び歯科で治療をします。
一方、鼻からの原因で「上顎洞炎」になった時は「鼻性上顎洞炎」と呼び、耳鼻科で治療することになります。
「副鼻腔炎」のことです

歯科では大臼歯の根が上顎洞に突出していることが時々あり、神経を取ったり、歯を抜いたりするときに、上顎洞に細菌感染を起こし「上顎洞炎」なることがあります。
一度上顎洞炎になるとその時の対応次第では難治性になることもあり、早めの処置が必要になります。

以前上の親知らずを抜いて欲しいという患者さんが来られて、レントゲン写真を撮ると、根が上顎洞に突出していたので、大学の口腔外科を紹介したところ、大学で抜歯した後、やはり上顎洞炎になり、上顎洞から交通した口腔内へ膿が落ちてきて口腔内から抗生物質で上顎洞内を洗浄したケースもありました。
幸いこの患者さんはその後上顎洞を閉鎖する手術をし、時間がかかりましたが完治しました。
患者さんにしてみれば、親知らずを抜いたくらいでこんなことになるなんて・・・・
というところでしょう。

一人一人歯の状態が違うので、その人にあった治療をする必要があるわけです。