歯科の治療費はどうやって決まるの?

最近主に若い方から、受診したらいくらかかるか
教えてほしいという問い合わせの電話が多くなりました。
考えてみるとやはりそれは一番気になることですよね。

というわけで、歯科の治療費のことについて書いてみます。

歯科の治療費は保険と自費の二つがあります。

保険の治療費は国が定めた点数によって自動的に決まります。
1点は10円になりますので、例えば現時点の初診料234点は2340円になります。

このうち患者さんが受付で支払う金額は患者さんによって異なります。
3割負担の人は2340円の3割で702円になりますが、10円未満は四捨五入
しますので700円になります。
ほかに2割負担、1割負担、0割負担と様々です。

医院側では月ごとに保険証を提示して貰って
このことを確認する義務を課せられています。

今では明細書付きの領収書を会計時にお渡ししているので
どの処置が何点か確かめることができます。

初診料はすべての初診の方にかかり、その上の検査料や
レントゲン料や処置料が上乗せされていきます。
その時の上乗せされる点数の取り方は国が定めたやりかたに則って行われます。

そして会計時にそれらの合計点数を10倍した金額の何割かを支払うわけです。

例えば、合計点数が1000点であれば、3割負担のかたは
10000円の3割で3000円の支払いになります。

ところで電話での問い合わせなのですが、
問題はまだ診る前からいくらかかるかと聞かれることです。
実際の話どういう処置になるのか診てみないとわかりません。
処置によって点数が決まるので正確なことは分からないのですが、
3割負担の方で初診で来られて5000円を超すということはほとんどありません。

また最近では歯科医院の設備や衛生士がいるかで、初診料や再診料そのものが
違う歯科医院がありますので、もし電話で聞くならこのことを聞いたほうがよいと思います。

外来環という登録をしている歯科医院では、初診料に25点、再診料に5点
加算しますので、受付の支払いがその分増えることになります。

全く同じ処置、例えば削って詰めるという比較的簡単な処置でも、そういう歯科医院では
金額が高くなります。

また歯石を取ることについても、衛生士が取ると、月一回歯科衛生実地指導料80点が上乗せ
されます。しかし歯科医が歯石をとってもこの点数はありませんので、結果同じ歯石を取って
貰うにしても、衛生士に取って貰うほうが金額は高くなります。

この他にも同じレントゲン撮影でも大きく全体がわかるオルソパントモ写真を一枚撮るか、
お口全体を10枚に分けて撮る10枚法で撮るとかとかによっても合計点数はかなり違ってきます。
両方とも初診時にデジタル撮影する場合、オルソパントモ402点、10枚法512点なので
110点の差があり、患者さんが受付で支払う額だけでも330円差があります。

このように同じ治療を受けても、歯科医院により会計時の支払いは異なることになります。

患者さんの側から考えれば保険点数の仕組みは分からないので、不安になって
問い合わせしてくるのかもしれませんね。

アドバイスとして言えることは、発行して貰った明細付きの領収書はカルテの内容が
そのまま点数に置き換わっているので、手元に保存しておいた方が良いということです。

自費に関しての治療代は国が関与していないので、ある程度相場はありますが、
原則自由に歯科医院で決めています。

その治療代が高いかどうかは、患者さんの満足度にも左右されますので一概には言えません。

例えば根管治療専門医などでは、一本の歯の根っこの治療だけで10万円から15万円ほど
かかります。根っこの治療は難しいものは本当に難しいので、一本の歯でも大事にするのであれば、
マイクロスコープという根っこの中を拡大して、それを見て正確に治療することも時には必要です。

以上治療費について書きました。

またこれについては続編を載せたいと考えています。