まずはじめに、今もなお続いている熊本県、大分県を中心とする
地震で、被害に遭われた皆様に心よりお見舞い申し上げます。
少しでも早く穏やかな生活が戻られますよう、私もできることを
したいと考えています。
最近診療をしていてつくづく思うことは、患者さんからの診断
に対しての問いかけが少ないなということです。
例えば、初診で急に来院される患者さんで、冠や詰めてたものが
取れてしまい、取れたものを持って来られて、また付けて下さいと
言われることがあります。
私はこういう時は何故取れたのかが重要だと思い、その理由を
説明します。何故そうなったのかが大事なのです。
取れるには取れるだけの理由があります。
取れた物の形態、虫歯、かみ合わせ、歯軋りなどです。
そして、それに対してはどうすれば良いのかを次に説明します。
しかし結果としては、とりあえずまたそのまま付けて欲しいという患者さんは
多いです。
また痛みの強い患者さんも多く初診で来られます。
この時も、検査の結果を踏まえて、原因を説明し、治療方法を説明します。
虫歯として多いのは奥歯の歯と歯の間です。
これは自分では相当大きくならないと見ることが出来ません。
時には歯科医でも初期の虫歯は判断に迷うことがあります。
虫歯の原因は歯垢の中のS.ミュータンス菌で、ブラッシングが
悪いと言ってしまえばそれまでですが、実はかみ合わせが大いに
関係しています。
かみ合わせのパターンは人によって違い、
上下の歯をかみ合わせたとき、歯と歯の間に食物を押し込むかみ合わせ
になっている人や歯茎から出ている歯の長さが短い人、噛みしめの強い人は
さらに食物が詰まりやすくなります。
虫歯になったところをつめるなり型を取って金属にするなりしても
かみ合わせのありかた自体が変わっていないので食物が詰まって
そのままの状態が改善されなければ、また詰めた縁から虫歯になったり、
歯周病になったりします。
かみ合わせのパターンは一例です。
どうして詰めたものが外れてしまうのか?
どうして痛いのか?
どうして虫歯になるのか?
そのほかの症状にたいしてもすべてみんな原因があります。
原因はさまざまな要素が絡んでいることが多く
総合的に診断することが大事です。
こちらからも説明しますが、
患者さんも「WHY?歯医者さん」と言って原因に関心を持って
どんどん聞いて欲しいと思います。