「知識は身を助ける」

世田谷区太子堂、三軒茶屋のさかき歯科クリニック院長 榊俊也です。
以前、喫煙の習慣のある歯周病の患者さんに、タバコは止めたほうがよいと言ったところ、その患者さんに「タバコをとるか、歯をとるかと言えばタバコをとる。」と言われて、ため息をついたことがあります。
他人の生活習慣を変えることは非常に難しいことです。
なぜタバコを止めた方がいいかというと、タバコは歯周病の最も重大な危険因子だからです。
医者や歯医者でタバコを吸っている人はほとんどいません。
健康に悪いという科学的に裏付けられた正しい知識を持っているからです。
私の親戚に歯周病の進行した男性がいて、その人は自然に歯が抜け落ちるほどひどい状態だったのですが、歯医者嫌いでそのままにして、相変わらずタバコを吸っていたところ、心筋梗塞になって、お医者さんから「タバコをとるか、命をとるか」と言われ、やっとタバコを止めました。
歯くらいでは命に関わらないと、たかを踏んでいたのでしょう。
最近の研究では歯周病菌が心筋梗塞を引き起こす一因になることが分かっています。
たかが歯ぐらいでと考えるのは誤りです。
かく言う私も歯医者になっていなければ、毎晩寝る前に30分歯を磨き、更にスケーラーで自分で鏡を見ながら歯石を取り、コンクールでうがいし、ナイトガードを消毒してはめるというややこしいことはしなかったことでしょう。
おかげで歯医者になって27年目ですが歯周病はまったくありません。28本すべて揃っています。
知識は身を助けるとつくづく思います。