バイオフィルム感染症としての歯周病治療

世田谷区太子堂、三軒茶屋のさかき歯科クリニック院長 榊俊也です。

歯周病治療の難しさの一つは、歯周病菌がバイオフィルムというバリアで覆われていることにあります。


これがあるために、ただ殺菌作用のあるうがい薬でうがいしたりするだけでは薬液が中に届かず細菌を殺すことはできません。

バイオフィルムを除去するためには物理的に除石した後にブラシでこすって取る必要があります。この他に抗生物質を飲むことで一時的に歯周ポケット内の歯周病菌を殺すこともできます。

マクロライド系抗生物質であるアジスロマイシン(商品名ジスロマック)は広範囲の口腔細菌に対して強力な抗菌作用を持っていて、飲み始めてから約1週間の間効いています。これはなぜかというとアジスロマイシンがバイオフィルムを破壊する能力を持っているからです。

しかし耐性菌や副作用の問題があるので補助的な使用に限られます。やはり患者さん自身のブラッシングと歯科医院での定期的な除石とPMTCによる専門性のある機材を使ってのバイオフィルム除去が基本です。