リオオリンピックも終わり、落ち着きを取り戻した昨今ですが、この夏はオリンピックの興奮と入れ歯の相談で明け暮れした日々でした。
男子体操や卓球、男子400メートルリレー決勝など凄かったですね。
ところで、私個人としてはある患者さんからの入れ歯の相談で頭を悩ませました。
それは上顎の義歯で、今現在は他院で入れた長いブリッジが外れた状態になっていて、その医院では、残っている歯を全部抜いて、抜いたあとがなおるまで3ヶ月くらい待って、総入れ歯にするか、数本歯を残し、磁石をそれにつけて、金属床にするかしかない、ただ自費になると言われたがどうすればよいかということでした。
この患者さんは高齢で、遠いので当医院にはもう通えないし保険で治療したいと言われるので、電話でいろいろ何回か相談にのったのですが、一番の問題は長いブリッジが駄目になった時の処置の仕方でした。
これに関しては以前似たような症例を経験していたので、これを基に次ぎのような話をしました。
つまり
1、先ずどうしても抜かないといけない歯を見極め、歯を抜く前にさきに即時義歯を作る。
2、次に即時義歯ができた段階で、抜くべき歯を抜き、即時義歯を調整してセットする。
3、その後残した歯の根に、金属のキャップを作ってセットする。
4、次に即時義歯の内面調整し、クッションをはる。
5、最後に、歯を抜いたあとが治ったら、クッションを除去して、義歯内面を同じ材質のもので張り替える。
これは歯科ではオーバーデンチャーというやり方です。
この患者さんの場合、その後別の歯科医院で外れたブリッジをとりあえず入れて貰って、私の説明したオーバーデンチャーを検討するようです。
入れ歯はその患者さんによって歯の残り方、口腔粘膜の状態、骨の吸収の程度、また何回も通院可能か、保険なのか自費なのかによって異なるので、 設計も使う材料も患者さんによりさまざまです。
そういう意味で入れ歯はまさしくオーダーメイドの治療と言うことができるでしょう。