岐阜の事件について

今年初の院長ブログです。
今年もよろしくお願いします。

さて先日、歯科医院にとってショッキングな事件が起こりました。
1月20日の午後、岐阜市の歯科医院で院長が患者から
刺殺されるという事件です。
翌日、医院の中ではこの話で持ちきりになりました。
ニュースによると、数年前に歯槽膿漏で歯を抜かれたことを
恨んでの犯行との事です。

私も毎日歯槽膿漏(歯周炎)の患者さんの治療をし、
時には抜歯をせざるを得ないこともあります。
おそらくこの院長先生もそうだったと思います。
ただ、つくづく思うのは歯槽膿漏の病態と
抜歯の必要性について説明し、同意を得るのは
そう簡単な話ではないということです。

そもそも歯槽膿漏(歯周炎)とは何かという
ところから説明しなければなりません。

歯槽膿漏(歯周炎)とは、一言で言うと歯の周囲にあって
歯を支えている骨(歯槽骨と言います)が、歯周病菌による
炎症のために、吸収を起こしてなくなってしまう病気です。
つまり歯肉の下でじわじわ骨がなくなっていくのです。
初期のうちはまったく症状はありません。

歯茎が腫れたり、押すと痛かったり、噛むと痛かったり
する症状が出始めるのはかなり進行してからです。
患者さんは、このころになってようやく歯科に来られことが多いです。

さらにもっと進んでくると、歯茎から膿が出たり、歯が動いたり
し始めます。
こうなってくると歯を残すのは難しくなります。

こういう話を患者さんにすると、「そんなことは初めて聞いた」
という人が多いです。
そもそも歯は歯肉の上に乗っているだけと思っている人が
多いのに驚きます。
それで歯槽膿漏(歯周炎)は歯肉の炎症で、マッサージをしたら良い
と思っている人も大変多いです。

要は歯槽膿漏(歯周炎)は骨がなくなる病気だという認識が
まったくないのです。
どうしてこうなってしまったのでしょうか?

私は学校教育に問題があるのではないかと考えています。
中学校の保健体育の時間に教科書を使って虫歯以上に歯槽膿漏(歯周炎)
について教えることが大事だと思います。
決して難しいことではありません。
歯槽膿漏(歯周炎)の病態について知っていることは常識だという風に
なればよいのです。

今子供の虫歯は激減しています。
チェアーサイドから診ての実感です。

私は歯槽膿漏(歯周炎)も人々の意識が変われば
それだけで子供の虫歯と同じように激減する筈だ
と思っています。

そうなれば今度のような悲劇は起こらなくなるのではないでしょうか。
合掌。