感染性心内膜炎と陽水の詞

梅雨に入り毎日湿度の高い雨模様の日が続いています。

また鹿児島、熊本地方では大雨のため、崖崩れなどの災害が起きています。

梅雨は必要ですが、度を越した大雨は勘弁して貰いたいですね。

 

さて私は最近、『井上陽水英訳詞集』という本を読みました。

著者はロバートキャンベルという日本文学研究者です。

テレビにも時々出ているので、知っている人も多いのではないかと思います。

この本をキャロットタワー2階のTUTAYA BOOK STOREで

立ち読みしていたら、最初のほうに、2012年1月12日夜8時に

井上陽水とキャロットタワー裏にあるスタバの前で待ち合わせしたと

あるので、ついその先が読みたくなって買ってしまいました。

 

その日は私の日記では、くもりのち晴れで、『非常に寒い日で

患者さんのキャンセルが相次ぎすごく暇な一日だった』とあります。

さらに翌日は田園都市線の上りは不通だったともあります。

こんな夜に著者と陽水は生牡蠣と白ワインを求めて、三宿までぶらぶら歩いたようです。

 

しばらく読み進むと著者が感染性心内膜炎で聖路加国際病院に入院する

ところがあり、ここで私はハッとしました。

感染性心内膜炎は歯科と非常に関係が深い病気です。

一般にはあまり知られていませんが、心臓になにか問題のある患者さんでは

抜歯や虫歯の処置、特に歯石除去で、細菌が血管の中に入り、心臓に達して、

その心内膜の傷などに付着し、増殖して心内膜炎を引き起こす

ことがあるのです。

従ってペースメーカーを入れていたり人工弁にするなどの

処置をされている患者さんの場合は非常に気を使います。

 

著者は心内膜炎で苦しみながらも陽水の詞を訳していきます。

そして日本文学の研究者なので、訳す過程で、奥深い考察をする

ところが面白いところです。

陽水本にはこの他に海老沢泰久著『満月、空に満月』とか

竹田青嗣著『陽水の快楽』があります。

こういう本を読むと陽水がいかにボブディランから作詞のヒントを

得ているかが分かります。

そういえばジョンレノンも1965年ごろはボブディランの影響

を受けた曲を何曲か発表しています。

 

ところでまだ梅雨明けは先なのでしょうが、散歩の出来ない

愛犬のためにもそろそろ明けてほしいですね。