歯科の金属

今月は歯科で使われている金属について書きます。

歯科で使われている金属はいろいろありますが、
その中でも一般的には保険で使われる、歯に部分的にかぶせたり、
全体にかぶせたりする銀歯というイメージが強いと思います。

この銀歯ですが、実は銀だけで作られているわけではなく、
銀の他にも金、パラジウム、銅などが含まれています。
含有量は銀が約50パーセント弱、金が12パーセント、
パラジウムが20パーセント、銅が約20パーセントです。
この合金を保険では使用しています。
歯科では略して金パラと呼んでいます。

さて問題はこの金属の価格が常に一定ではなく、
国際的な貴金属相場と為替相場の影響を直接受けることにあります。
つまり価格が常に変わっているのです。
特にパラジウムはロシアと南アフリカの2カ国で、
世界全体の約76パーセントが生産され、相場が
生産国の意向に左右されやすい不安定な性格を
もっています。
歯科用で使われるパラジウムは需要全体の7~8パーセント
とわずかですが、その内4割は日本の保険用金属が
占めています。

保険の点数(すなわち保険の金額)は国が中央医療審議会で 
決定していますが、常に変わっている金属価格に合わせている
わけではありませんから、こういうパラジウムというレアメタルを
保険の材料として使用するのはいかがなものかという意見も
多いのです。

ところでこの金パラですが、保険導入は以外と古く、
国民皆保険となるはるか前、昭和28年までさかのぼります。
もっとも、長い間日本人の口の中に入れられてきた銀歯も
時代の流れで最近では患者さんも銀歯ではなく白い自然な歯
に近いものにしてほしいという要求が強くなってきました。

昨年保険に入ったCAD/CAM冠も4,5番の小臼歯だけだったのが
今年の4月からは金属アレルギーだと医科で診断されれば、6、7番
の大臼歯まで認められるようになりました。

やはり金属より白いほうがいいですよね。