芸術の秋

10月も終わりに近づいてきたのに、また台風です。
雨に降りこめられて、また院長ブログを書くことにしました。
本当なら『上野の森美術館』で開催している『怖い絵展』に行きたかったのですが、
晴れた日に行くことにします。ただ人気があるので入場までかなり待つことになるのでしょう。

さて、今までいろんな美術展に行ったのですが、図版と違って本物を見るというのは
一段と理解が深まります。6月の終わりに行った『ピーターブリューゲル展』でもあの有名な
『バベルの塔』が意外に小さかったのでびっくりしました。
あの塔のなかでは非常にたくさんの人が働いているのですが、細密画のように
克明に描かれているので、実際に本物を見るまではそういうことは分かりませんでした。

また、美術展に行く時はある程度その画家の知識があったほうがより深く
味わえるのではないかと思います。
特に近代以前の画家の場合、前もってそれに関した本を読んでいるといいと思います。
『怖い絵展』では中野京子さんのもの、ルネサンス関係では塩野七生さん、また美術全般的には
高階秀爾、若桑みどりさんの書かれた良書がたくさん出ています。
個人的には私が若い時に読んだ高階秀爾さんの『ルネサンスの光と闇』はお薦めです。

しかしこの本は1970年の初めの初版なので、今では手に入りません。
私が読んだ時にもすでに絶版で、私は大学の図書館で借りて読みました。
1980年台に一度中公文庫になったことがありますが、冒頭の図版や挿絵が白黒の上に
名画を文庫の印刷にするという無理があって、この本の良さが半減してしまいました。
一時私もこの初版本を手に入れようと古書店を回ったことがありましたが、
手に入れることは出来ませんでした。

ところが、最近は便利ですね、何と、アマゾンで検索をかけたら
一発で在庫がどこにあるか判り、青森の古書店から手に入れることが出来ました。
やっと探していた恋人にめぐり逢えた気持ちです。

早く雨が上がって晴れるといいですね。