親知らずの抜歯について

世田谷区太子堂、三軒茶屋のさかき歯科クリニック院長 榊俊也です。

親知らずの抜歯には色々なケースがあります。
その難しさ、抜いた後の症状の出方も様々です。
中でも一番難しいのは完全水平埋伏歯とよばれている状態の歯で、これは歯が完全に下顎骨の中に埋もれていて、かつ横に水平に倒れている状態の歯をいいます。
しかも歯の根の部分が下顎骨の中を走っている下歯槽神経にかかっているケースもあり、こういう抜歯は簡単にはいきません。
まず麻酔をした後、歯肉を切開し、剥離した後に、骨を削除して埋もれた歯を露出させます。
その後、歯冠部と呼ばれる頭の部分を切って取り出し、続いて根の部分を取り出します。
最後に縫合して終了となりますが、この時緊密に縫うと腫れてくるので抜歯創をやや開放して縫合します。
さらに出血や、ドライソケット予防のためにサージカルパックで創部を保護することもあります。
所要時間は平均約1時間かかります。

ただ歯の根部が深く下歯槽神経にかかっている場合は神経を傷つける恐れがあり根の状態をCT撮影して確認したほうが良いので、病院の口腔外科を紹介しています。

なお、ドライソケットというのは抜歯したあとに血餅が流されて骨が露出したままになり、痛みが収まらない状態のことで、唾液の多い人や、麻酔をたくさん打ったためにその部分が貧血状態になった時起きやすいのです。

要は親知らずがどういうように生えているかにかかっています。
上顎の親知らずで根が短く、単独であれば抜くのは容易です。
それこそ30秒で抜ける場合もあり、抜歯後も症状がほとんどありません。
こういう歯は、どの歯医者が抜いても簡単に抜けます。

要は歯の抜きやすさはケースバイケースで、その人の歯の生え方によることがほとんどで、後は多少歯医者の経験からくる技量があるぐらいです。