ビワの実る頃

6月に入り、雨模様の日が多くなってきました。
中学の英語で習ったRainy season has set in.という感じですね。

中学3年でこの現在完了形が出てくるのですが、これが日本人にはなかなかピンと来ません。
継続だとか経験だとか完了だとかを、使われる場面でピンと来ないといけないので、現実に会話で使うことはかなり会話に慣れないと使えないのではないでしょうか?

オリビアニュートンジョンの「そよ風の誘惑」の歌詞は
そういう意味では少しハードルを下げてくれるかもしれません。
現在完了のオンパレードだからです。

さて6月に入って休みの日に犬と散歩していると、民家の塀からビワがたくさん実っているのをみかけることがあります。
それを見ると私はいつも子供時代のことを思い出します。
10才のころ近所の子供とよく遊んでいて、ある時彼が自分の家の山にビワが実っているので取りに行こうと誘ってきました。
そこに行ってみると、大きなビワの木にいっぱいビワが実っていました。
私と彼は上着とズボンのポケットに詰め込むだけ詰め込んでいると、運悪く彼の父親に見つかってしまい、大声で怒鳴られたので、2人で走って逃げました。
その間詰め込んだビワがぽろぽろポケットから零れ落ちたのをよく覚えています。
彼は後で父親からさんざん𠮟られたんじゃないかと思います。
ひょっとして私の所為にしたかもしれません。

それから10年が過ぎて私が下宿していた時、故郷の祖母から来た手紙で子供のころに一緒に遊んでいた「せい坊」という男の子が亡くなったことを知りました。
彼は小児麻痺にかかって片足が少し不自由だったのですが、そんなこと関係なくみんなでよく遊びました。

その手紙を読んで部屋を出て階段を降りるとき、ふと踊り場の窓から外を見ると、隣家の庭のビワがいっぱい実っていました。
その時私はなんだか変な言い方ですが、子供時代が終わったような気がしたのを覚えています。