学園祭の思い出

10月に入り、空にはすじ雲やひつじ雲を見るようになりました。

私は例年この時期になると、時々軽い咳がでるようになります。
医者にかかると、季節性の「咳ぜんそく」ということで、
通常の咳止めは効かないので、いつもステロイドの吸入薬を処方してもらいますが、
大体それを使い切らないうちに、いつも2,3週間で治まってしまいます。

実はこの「咳ぜんそく」には忘れられない思い出があります。
丁度大学の1年の時の学園祭のことです。私はその当時結成していたバンドで
コンサートに出演することになっていたのですが、その直前に咳が出始めたのです。

私たちのバンドでは2曲やることになっていて、最初の曲はビートルズの
「Back in the USSR」で、私がボーカルをとることになっていました。

唄っている間に咳こんだら、コンサートはぶち壊しです。
売薬の咳止めを飲んで迎えたリハーサルでは、なんとか唄えたので、
本番もそのまま唄うことにしました。

それでも本番までの間、不安になり飲み薬の他、ベポラップという子供用の胸に塗る
咳止めを買ってきて、トイレで胸に塗りたくったりして出てきたら、他のメンバーに
「お前臭いよ」と言われたりしました。
ベポラップは特有の臭いがするのです。

結局その甲斐あってかなしか、咳が出そうになるのを
おさえつけるようにして唄ったため、
ところどころ一節太郎が出てくるような「Back in the USSR」
になってしまいました。

一節太郎を知らない人はyou tubeで「浪曲子守唄」を聴いてみてください。

さて、後日別の友人が僕のアパートに来た時に、この時の学園祭のテープを
聴かせたところ「このボーカルうまいんだか、下手なんだかわからないな」
と言うので、「これ俺が唄ってんだよ」と言い、その時の話をして、2人で笑い合いました。

結局、後年私の咳は「咳ぜんそく」というアレルギー性の咳と診断されて、
いつも秋口の季節の変わり目に相変わらずやってくるのです。