引揚者

3月も半ばを過ぎ、春らしい三寒四温の日が続いて居ります。
しかしこう気温の上下があると、中には体調を崩す人もあるかもしれません。
ドジャースの大谷みたいに睡眠をよくとって、免疫力アップするのが良いんではないでしょうか。

さてここ最近は私は公私ともども忙しく、なかなかぼーとするような時間がとれません。
読みたい本も積読状態です。
小澤征爾関係の本やら安部公房の本やらグローバルな視点から観た新幕末史(NHK取材班)やらです。

そもそも小澤征爾は奉天(今の瀋陽)生まれですし、安部公房も満州のエリート学校に通っていました。安部公房の満州からの引き揚げ体験を書いた『けものたちは故郷をめざす』は一読の価値があります。私は若いころ読んで中国共産党の軍隊を八路軍というんだとこの本で知りました。
岩波文庫と新潮文庫と両方あります。

小澤征爾も征爾という名前は、2人の関東軍の有名な軍人の名前を取って、父の小澤開作が名付けたことはよく知られています。
子供だった小澤征爾は戦争前に日本に帰っていますので、運がよかったのですが、ほかにも数学者の藤原正彦なんかはかなり厳しい状態だったようです。
藤原正彦は作家の新田次郎の息子で、その母の藤原ていが戦後のベストセラーになった『流れる星は生きている』の中で朝鮮半島を通って引き上げる様を描いています。
このような厳しい体験は、今の日本人からは想像もできないことです。

そういえば今頃になって、シベリアに抑留されてなくなった人の氏名が新聞の片隅に載っていることがあり、はっとさせられます。
そういえばあの歌手の三波春夫もシベリアからの帰還者でした。