知っている人は得をする

明日から10月です。

ようやく涼しくなったと思ったら、また強力な台風24号がやってきます。
このところの天気に影響されてか、来院する患者さんも凄く混んでたり、
逆に暇だったりが続いています。しかしこれも仕方のないことなのでしょう。

さて今回は医療において予防が如何に大事かということについて書いてみます。
歯科の初診の患者さんのほとんどがどこか歯や歯茎や顎が痛かったりして初めて
来院されることが多いのですが、実は私自身はここ20年以上虫歯の痛みや歯周病の
痛みに縁がありません。

これには私の意識の変化が大きく影響しています。
私は歯医者になったのが約30年前ですが、その当時は新しい技術を身に着けることに
意識が行っていて予防ということをあまり考えませんでした。

しかし多くの患者さんを診るうちに、特に開業してからずっと時間を追って患者さんを
診ていると、どんな技術よりもそもそも歯科の病気にならないようにすることがなによりも
大事なのではないかと思うようになりました。

私の知っている限りで歯周病で困っている歯医者はいません。
同様に糖尿病で苦しんでいる内科医もいません。
また姿勢の悪い整形外科医もいません。何故でしょうか?

それは、どうすればそうならないかを知っている上に、
日夜そうならないようにしているからです。

歯周病で言えば、原因は歯垢、歯石に含まれる数種類の歯周病菌が原因で、
歯と歯茎の境にある歯周ポケット内に居て、感染を起こしています。
従って予防するにはこの歯周ポケットという溝の中をきれいにしなくては意味がありません。
歯の表面ばかり磨いても歯周病菌は除去できないのです。

それとほとんどの患者さんは、歯と歯の間が磨かれていません。
そしてここをきれいにすることがどれだけ大事かということも分かっていません。

私が日夜、食事や間食の後でもどれだけ神経質にデンタルフロスを何本も使って
歯間部をきれいにしているかはご存じないでしょう。

虫歯や歯周病にならなければ、痛みや治療から解放されます。
定期的にチェックをして歯垢、歯石を除去し、歯ぎしりがあればナイトガードをするということで
歯科の病気から解放されるのであれば、こんな楽なことはありません。

食事してもおいしくない義歯になってしまうとか、インプラント手術をするとか
歯を麻酔して抜いたり、削ったりするとか嫌なことではありませんか。
予防するのが一番です。おまけに保険でできるので、コストパフォーマンスもとってもよいのです。

知っている人は得をし、知らない人は損をするという一般的な法則が
病気の予防に関しても言えるのではないかと思います。