翻訳の話

6月になりました。梅雨も間近です。コロナのワクチン接種も進んできました。

私も2回目の接種を今月の19日(土)に受けます。

これについては、2回目の接種後発熱などの副反応が出ることも考えられるので、
思い切って19日(土)は休診にしました。
よろしくお願いします。

さて新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、アルベール・カミュの『ペスト』
(新潮文庫)が125万部のロングセラーとなったようです。

以前のブログでも書きましたが、私もこれを読んだ一人なんですが、
とにかくこの宮崎嶺雄訳には参りました。
だれか新しく翻訳しないのかと思っていたところ、今度ついに岩波文庫から
三野博司訳が出たことを聞いて嬉しく思いました。
まだ読んではいないのですが、宮崎訳よりは良くなっているはずです。

外国語の小説は翻訳する人により随分印象が変わります。
若いころレイモン・ラディゲの『ドルジェル伯の舞踏会』という小説が好きで、何回
も読んだりまた訳者を変えて読んだりしました。

最初のころは新潮文庫の生島遼一訳で読み、その後角川文庫の堀口大学訳でも読んだ
りしました。

堀口訳では生島訳にはない「・・・それかあらぬか・・・」というような時代がかっ
た表現もあり、印象が随分違います。そういえば戦前は貴顕というものがあった世の中だった
ので、堀口訳のほうが合っているんだろうなとも思いました。

またその後ジョンレノンの『ビートルズ革命』片岡義男訳を読み、ついでに原書も読
んでみたところ訳よりも原文の方が品が悪いことに気づきました。

これはジョンレノンへのインタビューを本にしたので、ジョンレノンの話す言葉が
本になっているのですが、原文ではいわゆるfour letter wordがよく出てきます。

でも、こちらの方が私は好きです。
いかにもジョンという感じです。

またビートルズ時代の『get back』のセッション中ジョンがわざと歌詞を変えて
「fart」と歌っているのを聴いて思わず苦笑しました。

そういえば最近日本でもツイッターで『屁』と言って内閣参与を辞めた人もいましたね・・・・。