最近受付で時々診療明細書の見方について聞かれるようになりました。
考えてみれば、医療機関の明細書は患者さんにとっては、
独特の用語があったりしてすこし分かりづらいかもしれませんね。
というわけで、ここで解説をしておきます。
まず明細書の見方としては、「項目名」が今日何をやったかの処置で、
その横の「点数」が治療金額です。
医療にかかった費用は国により点数という形で決められていますので
どの医院にかかっても同じ処置なら同じ点数になります。
1点は10円です。
例えば2019、11月時点での歯科の再診料は51点ですから、
医療機関に支払われる金額は総額で510円になります。
患者さんが窓口で支払う金額は患者さんによって違います。
負担割合が3割の方は、¥510×0.3=¥153になりますが
一の位は四捨五入しますので、¥150円になるわけです。
従って医療機関側に支払基金から支払われる金額は¥510から¥150を引いた
¥360になります。
¥510円に上乗せして¥150支払われているのではありません。
負担割合が2割の方は、¥510×0.2=¥102で
一の位は四捨五入しますから¥100になります。
負担割合が1割の方は、¥510×0.1=¥51で
一の位は四捨五入しますから¥50円になるわけです。
要は点数にご自分の負担割合の数字をそのまま掛けて、端数を四捨五入すればよいのです。
3割ならそのまま3を掛け、2割ならそのまま2を掛け、
1割ならそのままで端数を四捨五入すれば支払う金額が出ます。
よく誤解されるのは負担割合が引き上げられたときに患者さんから
「医院の収入が増えていいわよねー」と言われることがありますが、
そうではなく、点数が変わらなければ、患者さんの負担のみが増えるだけで
医院側の収入は全く変わらず、増えるわけではないことは以上の解説からお分かりになると
思います。。
次に項目が分からないという時は、受付か歯科医に直接聞いた方が早いと思います。
何故なら、これらはすべて国で決められたルールに基づいて請求しないといけない決まり
になっているので、その用語やルールを事細かに理解するのは難しいと思います。
おまけに複雑で毎年変わりますので、私たちも理解するのが大変です。
私も分からなくなったら、よくそのルールを解説してある分厚い本を引き引きパソコン上のカルテに打っています。
ちなみに領収書と明細書はすべてカルテと連動していますので、これらはカルテの中身そのものです。
カルテとの違いは医師・歯科医の所見が書いてあるかないかの違いにすぎません。
また、今までの例だと患者さんは負担金額が高いと感じた時に明細が気になるようです。
初診時の後や冠やブリッジや入れ歯を装着したりした時です。
例えば奥の6番目に金属の冠を1本装着したとします。
その時は再診料、明細書加算、FMC(金属の冠のこと)、
装着料、装着材料クラウンブリッジ維持管理料がかかります。
さらに装着する時期も関係していて、治療を始めて月をまたぐと、
歯科疾患管理料などがこれに加わってきたりします。
また歯科で使う金属の金額は、その時の金、銀、パラジウムの相場でかなり変わってきます。
2019年、11月の時点では奥の6番目のFMCは1044点です。
9月までは967点でした。10月に77点値上がりしたわけです。
金とパラジウムの相場、中でも特にパラジウムの相場が
異常に値上がりしているからです。
したがって装着する時期により金額が違うことにもなります。
以上のように明細書の項目や点数は色んなことで決まってくるので、
もし分からないことがあれば医院側に聞いて頂きたいと思います。